学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 樋口 純平 | 年度 | 2021年度 |
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タイトル | 大学教育と産業界の連携 ―欧米との比較を通じて― |
内容 | 本論文では、産業構造や労働市場等の急激な変化の中、欧米における「大学教育と産業界との連携」の事例を整理した上で、日本は今後どのような施策を講じるべきなのか明らかにしようと試みた。 日本が直面している変化と言えば、日本型雇用慣行・新卒一括採用の変容、非正規社員で働く若者の増加、企業が人材育成にかける費用の縮小、グローバル競走激化による企業淘汰・技術革新の加速、社会で必要な知識や技能の高度化・複雑化などが挙げられる。このような状況下で、日本では「大学教育と産業界との連携」が今の時代に必要不可欠であると考えられる。そこで、欧米が実施している事例を挙げた。アメリカでは特にコーオプ教育、イギリスではサンドウィッチコースとキャリアセンターによるキャリア支援、ドイツでは特に専門大学、フランスではグランド・ゼコールである。 このような事例をもとに、日本は「新たな高等教育機関の設立」、「大学教育課程内に就業体験を組む込むプログラムの導入」、「キャリア支援の強化」をすることを考えた。これらの施策によって、急激に移りかわる時代の中で、大学生1人ひとりがキャリアを自ら獲得でき、社会で活躍できる人材へとなるだろう。 |
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講評 | 将来の仕事に役立つ大学教育とはどのようなものか?このような問題意識を一貫して保持していた著者は,欧米各国における大学教育と産業界の連携のあり方にその答えを探った。そこから,日本における職業教育の可能性を多面的に示しており,理念的ではあるが確かな考察の軌跡が見られる。 【全体への講評】 卒業論文の作成にあたっては,自分が関心を持ったテーマについて,自分なりに研究してよかった,多少は苦しいながらも書き進める中に楽しさや充実感があった,と感じてほしいと思う。自分自身に向けて書く,という気持ちが大切と思う。 とはいえ,単なる自己満足に終わってもよくない。設定したテーマについて,先行研究は何を語っているか,現状はどうなっているのか,を知る必要がある。すると通常は,よく調べるほど自分に語るべきことがあまり残されていないことに気づく。そもそも,卒業論文でオリジナリティのある事実発見や考察を行うことは,たいへんむずかしい。それでも,よく選んだ文献と格闘することで自分なりの解釈を展開することはできるし,先行研究の隙間を見つけて自ら実態調査に取り組むことも可能である。 卒業論文に真剣に取り組めば,書き進めるほどに執筆の目的が他者の評価よりも自分自身の納得に変わってくるように思う。「ここまで多くのことを書くつもりではなかった。」「ここまで内容にこだわるつもりではなかった。」ゼミ生が卒論執筆後にもらすこのような感想を,今年も聞くことができたことを嬉しく思う。 |
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キーワード1 | 職業教育 |
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キーワード2 | 新たな高等教育機関 |
キーワード3 | 就業体験 |
キーワード4 | キャリア支援 |
キーワード5 |