学科 | 教育文化学科 | ゼミ教員名 | 山田 礼子 | 年度 | 2021年度 |
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タイトル | 到達目標と学修成果に一貫性を持たせる授業経験―同志社大学社会学部教育文化学科を事例にー |
内容 | 2000年代以降、グローバル化する知識基盤社会の中で、大学は学修成果を重視し教育課程の体系化を行うことで教育の質を高めることを求められている。そこで筆者は、「学生にとって、各授業の到達目標と一貫した学修成果を得られるような授業経験となっているか」を問題意識とし、本研究の課題として以下の2点を設定した。1点目は、学生自身が実感する学修成果が授業の到達目標に沿っているかを明らかにすること。2点目は、到達目標に資することができる授業経験とは何かを考察することである。なお、本研究での「学修成果」は、7技能に含まれる能力に焦点を当てている。教育文化学科を事例としインタビュー調査を行なった結果、学生自身が感じる学修成果は授業の到達目標に概ね沿っていると考えられ、その上で7技能別の到達目標に資する授業経験や意欲的に学修成果を得る手助けとなる授業へのモチベーションに関わる授業経験も明らかになった。 |
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講評 | 本年度の卒業論文を執筆した学生は20000字を全員が選択し、11 名が提出した。 今年の学生たちは、比較的早期から課題を設定して課題に取り組んだといえる。また、当該ゼミでは大学院生を交えてのゼミでのディスカッションも日常化していることもあり、大学院生からのアドバイスを受けながら、課題に取り組み、アドバイスを受けて、修正した内容を教員に提出するというプレセスが機能したと評価できるだろう。 2020年から突如起こったCOVID-19で今年度卒論を執筆した学生たちは、コロナ禍で3年生の演習を経験し、春学期は完全オンライン、秋学期はオンラインと対面式の併用で演習を進めてきた。6年次も同様にオンラインによる個別指導と全体での演習内での発表等を併用してきた。毎年行う卒論のための合宿も経験していない。そのような状況においても、計画を立てながら、早期からテーマに取り組み、オンラインでの個別指導を有効に利用して全員が複数回の卒論の修正を行うというプロセスを通じて提出に至った。 当該ゼミでは、データを収集し、それを分析することが基本となっているため、早期からデータ収集に取り掛からなければ、分析と卒業論文執筆までこなすことはむずかしい。この点でのコロナ禍の影響が大きかったことは否定できない。今年の学生はインタビュー調査が多かったが、対面式では難しいため、全員がオンラインでのインタビューとなっていた。オンラインの経験があるからインタビューもかなり円滑に進めることができたとは予想するが、やはりフィールドワークにも関係するような対面式でのインタビューを行うことで、本音の部分も体感できるところがあるので、そこは残念に感じる。質問票による量的調査においては、オンラインフォームによる調査を実施し、相当な数の回答数を集めることができていた。今までは、紙による質問票であったのだが、オンライン調査もこれからの選択肢になることを証明できたと思う。 テーマとしては、高等教育が重たるテーマであった。それぞれ、現在高等教育が直面している課題を取り扱っている。もう少し、掘り下げてほしいというような面もあるが、それでも全員がオリジナルな視点を提示していた。また、近年減少していたジェンダーと高等教育という切り口でのテーマが再度浮上したことも、時代の趨勢を反映しており、個人的には良い傾向であると考えている。内容的にも現代の社会問題につながるような切り口で分析されていた。 |
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キーワード1 | 学習成果 |
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キーワード2 | 授業経験 |
キーワード3 | インタビュー調査 |
キーワード4 | |
キーワード5 |