学科	産業関係学科	ゼミ教員名	寺井　基博	年度	2022年度
タイトル	アルバイト経験か?学生生活とキャリア形成に与える影響

内容

今や多くの大学生が経験し、学生生活に欠かせない生活領域となった「アルバイト」。戦前は「苦学生」「内職」といった言葉で形容され、生活費や学費を稼ぐ目的で行われていたが、その目的は時代と共に変化し、自身の娯楽や趣味のためや就職活動を見据えた社会経験の一環としてアルバイトをする学生も現れた。また一方でフリーターの増加や非正規雇用労働の基幹化が進むなかで登場した「ブラックバイト」と呼ばれる学生であることを尊重しないアルバイトが出現し、社会問題となった。そのような社会的背景を踏まえて変化していった学生達のアルバイト観と多様性を日本の労働市場の現状を踏まえて述べていく。アルバイトという長期的な就業体験を通じて、実践し定着させて得るスキルや学習には将来の仕事やキャリアに活かせる能力獲得が期待できるのではないかと考察し、アルバイトを通じて得られる能力と学生のモチベーション、将来のキャリアを形成するにあたってどのような影響を与えるかを考える。

講評	本論文は、筆者のアルバイト経験を振り返りながら大学生活を総括したものであり、興味深く、読み応えのある文章で構成されている。自らの経験と先行研究の渉猟により、アルバイト経験は「問題を見つけて解決する能力」などの職業的能力を習得できると指摘する一方で、その面ばかりが強調されると、大学は就職準備機関と位置づけられることになり、本来的な勉学や思索、交友関係による人格形成の機会が損なわれると指摘する。在学生に一読を推奨したい。

キーワード1	学生
キーワード2	キャリア
キーワード3	アルバイト
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