学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 上田 眞士 | 年度 | 2022年度 |
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タイトル | 北欧の幸福度とワークライフバランス |
内容 | 本論文は、WHOが発表した世界幸福度ランキングの内容から始まる。充実していると思っていた日本が先進国の中で最低順位。一方デンマークは、毎年上位であり、今回も2位であった。その要因は、ワークライフバランスであると考え、デンマークについて調査を行った。まず初めに「幸せ」とは何かという概念の問題に取り組んだ。「物質主義」というお金やモノによる「幸せ」は限界を迎え、現在は精神的・経験的な「幸せ」へと移行した。次に働き方とプライベートの時間の使い方について調査した。特徴的な働き方として、フレックスタイムがある。労使間の交渉により、柔軟な働き方が実現している。プライベートにおいては「ヒュッゲ」という文化があり、他者との交流によって、「幸せ」な時間を過ごすことを大切にしている。そして次に、福祉レジームについて調査した。3つのレジームに類型化され、デンマークは社会民主主義レジームに属している。その中で福祉国家としての特徴を整理した。最後に、デンマークについて調査したことをもとに、私の考える今後の新たなワークライフバランスについて論じた。 |
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講評 | 皆さんから提出された卒論のテーマを分野別に大きく括ってみると,「幸福度とWLB,働き方改革」「非正規雇用の労働問題と企業別組合」「AI社会における営業職の働き方」「美容師の働き方と労働環境」「東京一極集中と地方における雇用創出」等々となっています。たしかに個々の論文を取り上げてみると,その内容に精粗や優劣もあったように思います。けれども,コロナ禍の下での就職活動という困難の中でも,卒論作成という課題に対して,基本的にはゼミ生皆が真面目に取り組んでくれた。そのように考えています。そこで,以下では皆さんが苦労をしてくれた研究論文の執筆というものをめぐって,わたしが大事だと考える要点を簡単に指摘して,それを卒論作業の締め括りの講評としたいと思います。 まず労働問題に限らず様々な社会的課題に,積極的な関心を持つということが,第一に大事な点だと思います。成長を第一義にしてきた経済社会は,格差社会の問題一つをとってみても,少なくとも先進国を見る限り,今日,大きな曲がり角に差しかかっているように思います。論ずべきこと,解明すべきことは,多発的でありしかも多層的であるといって良いでしょう。そのような社会的課題と切り結び,現実に対して緊張感を持って立ち向かう姿勢が,やはり社会科学の領域の研究には必要です。 また少々矛盾するようですが,論文の出来映えを決めるものは,政策提言の良否にではなく,問題把握や理解の深さにこそあるのだということ,この点も第二に大事なポイントであるように思います。言い換えれば,「わかりたい」という気持ちこそが大事なのだ。この点を強調しておきたいということです。昔からの有名な金言に「幽霊の正体見たり,枯れ尾花」という言葉があります。敢えて勝手な例え方をすれば,研究を通して「正体」を突き止めれば,人を脅かす怪異な「幽霊」も消えて行くのだと思います。社会科学的な認識の深まりが,そうした意味で人間社会の「自由」を拡大する。今も心に残る,若い頃に私が先生から教わった考え方です。役立つこと,実用的であることも確かに大事です。けれども私は「わかりたい」という気持ちを一番大切にして欲しい。そのように考えています。 |
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キーワード1 | ワークライフバランス |
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キーワード2 | デンマーク |
キーワード3 | 福祉国家 |
キーワード4 | 社会民主主義レジーム |
キーワード5 |