内容 |
現在、介護施設における人手不足が問題となっており、今後より深刻化することが考えられる。この問題を解決する取り組みとして、先行研究から「昇進・昇給への取り組み」「業務負担軽減の取り組み」「介護の質向上への取り組み」が挙げられることがわかった。しかし、先行研究により「昇進・昇給への取り組み」「業務負担軽減の取り組み」は制度上の都合により実現することが困難であることが分かったため、「介護の質向上への取り組み」に注目した。先行研究では介護の質向上への取り組みが離職意向を低下させることが示されていた。しかし、介護の質を向上させることにより業務負担が増加することが考えられる。また、認知症高齢者の介護が負担になることも先行研究で示されていた。こうした負担を考慮した場合でも介護の質向上への取り組みは介護職員の離職意向の低下になるのかという疑問に始まり、仮にそうであれば何かしら条件があることが考えられたため、本論文の目的は「介護の質向上への取り組みを介護職員の継続意思につなげる条件を明らかにすること」になった。調査結果から情報共有が可能な管理体制のもと意見を共有しルーチンワークの介護業務を充実させることが介護職員の継続意思につながる条件であると考察できた。 |