内容 |
本論文では、リサーチクエスチョンを二つ設けている。一つは、「日本企業においてサプライチェーン全体で環境に配慮した経営をするにはどうすればいいのか」で、もう一つは「現代式環境経営が実現できていない業界はどうすれば実現するのか」である。
一つ目の問いに対して、株式会社リコーでは「コメットサークル」という考え方が環境に関わる経営を遂行する上で大きな役割を果たしていることが分かった。この際に株式会社リコーのサプライチェーン全体を巻き込んで環境への配慮をした経営を遂行していることも分かった。
そしてリサーチクエスチョンの二つ目については、環境への配慮という観点で後れを取っている業界である「繊維・アパレル業界」と「電力業界」を例として取り上げ、考察を深めた。繊維・アパレル業界では輸送時のエネルギーロスと衣類の購入から処分までのスパンの短さが課題である。これに対して繊維回収サービスの「WEAR TO FASHION」を通じて課題解決に向けた動きを見せている。
電力業界では日本が調整電源として火力発電が採用されていることから、環境負荷を軽減することはかなり難しいとされていた。しかし洋上風力発電やペロブスカイト太陽電池などを通じて再生可能エネルギー主力電源化を目指すことにより課題の解決を目指していることが分かった。 |