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2006年に調査された梅崎(2021)の研究成果によると、中小企業の労使関係において「発言型従業員組織」が大きな役割を持ち、「発言型従業員組織」は他産業と比較した場合、労使コミュニケーションの手段として「情報通信業」において設置割合が多いことが分かった。
しかし、「情報通信業」は変化の大きな産業であり2006年に調査された梅崎(2021)の研究成果が現在においても適用できるかわからない。よって、本論文では梅崎(2021)の研究成果が現在でも適用できるかを明らかにし、「情報通信業」にて「発言型従業員組織」が他産業と比較して多い理由について、「情報通信業」(大分類)の5割を占める「ソフトウェア業」(小分類)に着目し、先行研究とヒアリングを基に考察した。
調査の結果、2006年の「情報通信業」(大分類)の中分類における定義と企業数割合を現在と比較したところ、定義には変更があったものの、中分類における企業数割合にはほとんど変化が見られないことから、梅崎(2021)の研究成果は現在でも適用できることが分かった。また、「ソフトウェア業」(小分類)は労働者1人の重要性が高く、ヒアリング調査から業務として従業員の意見吸収を行っていることがわかった。このことから経営側が従業員の意見に敏感であるため発言型従業員組織が組織されやすい可能性について示唆することができた。 |