学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 上田 眞士 | 年度 | 2023年度 |
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タイトル | DXによる日本企業の組織改革について |
内容 | アキ近年DXと称し、デジタル技術を用いて日本企業の改革を推し進める動きがある。その理由として、海外諸国に比べ日本がITに疎く、遅れていることが挙げられる。そこで問題なのはデジタル技術を活用していない、またはできていないことが日本企業停滞の理由の1つである可能性だ。DXを達成することで諸問題を解決し、より大きな価値を生み出すことができるという議論について考える。 アキ日本でDXが叫ばれるようになったのは、2018年に経済産業省が発したDXレポートがきっかけである。これによると、日本企業内の課題が2025年までに解決できなければ最大で12兆円の損失が生じるという。DXに取り組むことでその課題を解決する必要があるが、現状あまり進んでいない。その理由には、組織文化的なものが大きく影響している。日本企業は挑戦より安定をとる姿勢を崩さないため、変化を忌避する。しかし、海外の事例を見ると変化を起こそうとする態度が重要で、実際に成果を出しているのは新しいものを取り入れて変わり続ける組織である。DXの本質をとらえ変化に適応し続けられる組織体制を作ることこそ、これからの時代で躍進するために重要な要素となる。 |
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講評 | 皆さんの卒論のテーマを分野別に大きく括ってみると,「WLBと柔軟な働き方」「障害者雇用など様々な雇用問題」「人事評価の公平性やHR管理の重要性,社内教育,DXによる組織沿革」「日本的雇用の危うさや新卒一括採用の問題点」「戦争体験と経営者」等々となっています。たしかに個々の論文を取り上げてみると,その内容に精粗や優劣もあったように思います。けれども,基本的にはゼミ生皆が真面目に取り組んでくれた。そのように考えています。そこで,以下では皆さんが苦労した研究論文の執筆というものをめぐって,わたしが大事だと考える要点を簡単に指摘して,それを全体に向けた卒論作業を締め括る講評としたいと思います。 まず,自らの選定したテーマに沿って,関連する先行文献をしっかり読んで欲しい。この点を第一に指摘をしておきたいと思います。研究主題に沿って,より多くの関連文献を渉猟している論文ほど,出来映えが良いと思われました。それによって,曖昧模糊としていた問題意識も鮮明化することになるし,課題の掘り下げも深まるからだと思います。具体的な現実を取り上げ,論じるに当たって「素手」で対象に取り組んではいけない。方法的な準備として,認識の枠組みをしっかり作って取り組むことが重要だと思います。昔,私が先生から教わったことを繰り返せば,高い建物を建てるためには,広い土台が必要になる。そのように考えて貰いたいと思います。 また第二に現実の雇用社会の問題を論じる際には,マルクスの昔の有名な言葉をもじって言えば,肯定的な理解とともに否定的な理解も合わせ持って欲しい。要するに,批判的な研究であって欲しいということです。雇用社会の現実は,それが成立した「秩序」である以上,自らの存在の根拠をもっています。しかし,その現実をただ肯定するだけではつまらない。それがはらんだ無理や矛盾にも目を向けて欲しい。そういう要望です。やはり現実理解には,そのような複眼的な視点が必要だと思います。 とはいえ,先人の言葉にもあるように「言うは易く,行うは難し」。評価の基準というよりも,現実理解に際した心がけだ思って下さい。 |
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