卒業論文詳細

学科産業関係学科 ゼミ教員名上田 眞士 年度2023年度
タイトル外国人のブルーカラー労働者の現状と政府の施策の問題点
内容 現在の日本では少子高齢化が進行し生産年齢人口の減少が進む中で、あらゆる分野の産業で人手不足が問題になっている。少子高齢化の傾向は今後も続くことが予想され、将来的により顕著に現れるのではないかと考える。そのため、現在では多くの産業で外国人労働者が従事している。具体的には、コンビニエンスストアや飲食チェーンなど多くの外国人労働者が身近で働いている。さらに、中小企業では深刻な人手不足により外国人労働者が貴重な人材となっている。その一方で、外国人労働者の犯罪などが連日ニュースなどで取り沙汰され世論では外国人労働者の排斥の動きが高まっている。それらの犯罪の発生の原因の一つとして、政府が行っている技能実習制度などの外国人労働者から搾取するような政策により外国人労働者が生活に困窮し犯罪に手を染めていると考えている。その打開策として早期から外国人労働者の受け入れを行っていた国の制度を参考に日本の風土に即し、より外国人労働者に寄り添った政策を作るべきであると考えた。
講評 皆さんの卒論のテーマを分野別に大きく括ってみると,「WLBと柔軟な働き方」「障害者雇用など様々な雇用問題」「人事評価の公平性やHR管理の重要性,社内教育,DXによる組織沿革」「日本的雇用の危うさや新卒一括採用の問題点」「戦争体験と経営者」等々となっています。たしかに個々の論文を取り上げてみると,その内容に精粗や優劣もあったように思います。けれども,基本的にはゼミ生皆が真面目に取り組んでくれた。そのように考えています。そこで,以下では皆さんが苦労した研究論文の執筆というものをめぐって,わたしが大事だと考える要点を簡単に指摘して,それを全体に向けた卒論作業を締め括る講評としたいと思います。
 まず,自らの選定したテーマに沿って,関連する先行文献をしっかり読んで欲しい。この点を第一に指摘をしておきたいと思います。研究主題に沿って,より多くの関連文献を渉猟している論文ほど,出来映えが良いと思われました。それによって,曖昧模糊としていた問題意識も鮮明化することになるし,課題の掘り下げも深まるからだと思います。具体的な現実を取り上げ,論じるに当たって「素手」で対象に取り組んではいけない。方法的な準備として,認識の枠組みをしっかり作って取り組むことが重要だと思います。昔,私が先生から教わったことを繰り返せば,高い建物を建てるためには,広い土台が必要になる。そのように考えて貰いたいと思います。
 また第二に現実の雇用社会の問題を論じる際には,マルクスの昔の有名な言葉をもじって言えば,肯定的な理解とともに否定的な理解も合わせ持って欲しい。要するに,批判的な研究であって欲しいということです。雇用社会の現実は,それが成立した「秩序」である以上,自らの存在の根拠をもっています。しかし,その現実をただ肯定するだけではつまらない。それがはらんだ無理や矛盾にも目を向けて欲しい。そういう要望です。やはり現実理解には,そのような複眼的な視点が必要だと思います。
 とはいえ,先人の言葉にもあるように「言うは易く,行うは難し」。評価の基準というよりも,現実理解に際した心がけだ思って下さい。
キーワード1 外国人労働者問題
キーワード2 技能実習制度
キーワード3
キーワード4
キーワード5