卒業論文詳細

学科産業関係学科 ゼミ教員名阿形 健司 年度2023年度
タイトル「人生の夏休み」の過ごし方─大学生とアイデンティティ確立─
内容  大学時代をどのように過ごせばよいのか。本論文では、この筆者の素朴な疑問を解消すべく、大学時代が「人生の夏休み」と表現されることに着目し、その理由からも手がかりを得ながら、大学時代の課題を考えた。大学時代の課題を「アイデンティティの確立」とし、大学生とアイデンティティの確立に関する先行研究を確認した上で仮説を立て、アンケート調査を実施した。調査の結果、就職活動やアルバイト経験が大学生のアイデンティティ形成・確立に寄与する可能性が高いこと、また、アイデンティティ形成・確立と「転機」との関わりも推察された。最後に、論文全体で述べたことを踏まえて、冒頭の問いに関する答えは、「さまざまなことを経験するなかで、『自分はこうである。』といえる根拠探しをして過ごすとよい」と結論づけた。しかし、本論文でさまざまな傾向や可能性を示すことができたが、本論文の研究だけで何を結論づけることはできなかったため、今後更なる研究を進める必要がある。
講評  コロナ禍という災難と共に大学生活を始めた2020年度生ならではの問題意識に根ざした「大学生が達成すべき課題は何か」という問いを追究した論文である。「自分は何者であるか」「自分は何者たり得るか」といった青年期には誰しもが経験する「アイデンティティ問題」に真正面から取り組んでいる。この問いに答えるためにインターネットを活用した量的調査によって「先輩」たちの意見を集めることを試みた。それによると、大学生にとってアイデンティティ確立にはアルバイト経験や就職活動が有効であることが明らかになった。これは納得できる結果であるが、調査設計を一層工夫するとさらなる知見が得られた可能性があるだろう。
キーワード1 大学生
キーワード2 アイデンティティ確立
キーワード3 就職活動
キーワード4 アルバイト
キーワード5 転機