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学生にとって、アルバイトは非常に身近な存在となっている。学生のうちから働きすぎなのではと感じられる人が筆者の周りに存在しており、筆者自身もアルバイト先での学生アルバイトの存在は大きすぎるのではと感じていた。そこで、本論文は学生アルバイトが今日の企業にとってどのような存在となっているのかを明らかにすることが目的である。
主に2014年から2015年にかけて頻繁に問題となったブラックバイトの事例を挙げると共に、ブラックバイトが出現する大きな要因として、非正規雇用者の増加が関係していることが明らかになった。非正規雇用者の増加、労働の単純化に伴い、学生アルバイトは主にチェーン店で戦力として扱われるようになったのだ。
ブラックバイトの報道や有効求人倍率が上がることによってブラックバイトの存在は薄れつつあるが、安い労働力で職場に搾取されている現状は変わらない。その根本要因は、業務内容、職務範囲を事前に設定しないメンバーシップ型雇用にある。曖昧にしか決まっていないために、知らぬ間に賃金以上の仕事をこなしているのだ。学生アルバイトは企業にとって都合の良い人材として扱われているのではないだろうかという結論に至る。 |