学科 | 教育文化学科 | ゼミ教員名 | 山田 礼子 | 年度 | 2008年度 |
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タイトル | 国立大学法人の有用性―高等教育費支出拡大の是非― |
内容 | 日本の財政状況が厳しい中、国立大学協会は国際比較から日本の高等教育費支出の対GDP比の低さを根拠に「高等教育費支出拡大」を主張している。私はこの根拠が果たして妥当なものであるか、より的確な根拠が存在するのではないかと疑問を抱いた。そこで、本稿で国立大学の財政状況や取り組みなどを分析することで、この主張の妥当性を判断した。 具体的には、各国立大学の経営のトップに実施したアンケート調査や公共機関が提供している財政データを基に、国立大学の財政状況を分析し、現状を把握した。ここでは、地方の大学や単科大学が厳しい状況にあることが導き出された。取り組みに関しては、愛媛大学の事例を分析することで、教育・研究やそれらを通した社会貢献などの面でこの大学の有用性を示すことができた。 最後に、終章ではこれまでの分析した結果を参考に「高等教育費支出拡大=是」といった仮説を検証した。高等教育費支出拡大の根拠となり得る材料として、国立大学の財政や取り組み状況は有力なものであるが、強い根拠とはならなかった。そこで、今後より多くの事例を研究する必要性を痛感した。 |
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講評 | 本年度の卒業論文を最終的に執筆した学生は6人であり、全員が20000字を選択した。 私担当のゼミは、研究方法として質問紙、インタビューなど実証的な手法を用いて卒論を執筆するということを基本的に義務付けている。そういう意味では、データを取り、何らかの仮説を立て、それを検証するということが必要になる。もちろん、文献による先行研究の検討も十分に行わなければならない。ゼミ生全員がそうした課題に取り組み、卒業論文を書き終えたことは評価したい。課題としては、もう少し文献による先行研究の検討を十分に行うことが挙げられよう。すなわち、先行研究の検討が不十分であった場合には、研究枠組みがなかなか設定できないため、質問紙なども検証すべき課題から外れてしまう可能性が高いからである。 |
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キーワード1 | 国立大学 |
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