内容 |
2000年のアメリカ国勢調査において,ヒスパニックが米国最大の少数民族になって以来,ヒスパニック人口は増加し続けている。今後の米国社会にとっても大きな存在になるヒスパニックは低い学業成績,高い中退率,差別など多くの教育問題を抱えている。本文ではヒスパニックの教育問題に焦点を当て,同時に教育支援に力を入れている米国最大のヒスパニック集団LULAC (League of United Latin American Citizens)の活動にも着目した。過去のヒスパニックに対する教育政策やLULACの形成史をみていくことにより,現代の教育問題を様々な視点からみつめることができた。学生本人だけではなく,保護者など周囲も一丸となって教育に対する意識を高めることが教育問題の改善に求められていると著者は考えた。もともと教育が重要視されない国出身である彼らの意識を変えることが必要であり,そのためにLULACも働きかけることによってより効果が得られると考えた。本文を考える上で必要なキーワードは,「ヒスパニック集団(LULAC)」,「保護者」,「教育の価値創造」である。教育問題の解決は,今後も増加していくヒスパニックのためでもあり,彼らを受け入れるホスト社会にも良い影響を与えることであろう。 |