学科 | 教育文化学科 | ゼミ教員名 | 吉田 亮 | 年度 | 2021年度 |
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タイトル | 宣教師シドニー・ギュ―リックと日本人移民の人種差別問題―1910年代初期の北カリフォルニア州を事例として― |
内容 | 本研究では、1910年代初期のカリフォルニア州において排斥されていた日本人移民に対して擁護を行った、過去に日本での宣教経験を持つシドニー・ギュ―リックの言論を分析し、また、ギュ―リックの言論に対する日本人移民の反応を分析している。当時、アメリカにおいて先天的な遺伝の相違から人種差別の対象とされ、排斥されていた日本人移民は、自らがアメリカ社会に「同化」できる存在として、抗排日運動への方略を取っていた。それに対し、ギュ―リックは自身の宣教経験も相まって、環境要因である社会的同化の可能性などを主張し、カリフォルニアにおける日本人排斥を「断じて有害である」と主張した。こうしたギュ―リックの言論は、多少の論の相違も見られたが、日本人移民に最も「見るべきもの」の一つとして評価されるなど、総じて好意的に受け止められていたことが分析されている。 |
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講評 | 「宣教師シドニー・ギュ―リックと日本人移民の人種差別問題―1910年代初期の北カリフォルニア州を事例として―」は、1910年代初期のカリフォルニア州において排日運動から日本人を擁護したシドニー・ギュ―リックの抗排日論の言説が日本人移民に及ぼした影響について考察したものである。特に、両者の共通点と相違点を詳細に分析し、新たな解釈を加えたところに他の研究に見られない独自性があらわれている。 |
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キーワード1 | 人種差別 |
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キーワード2 | 異文化接触 |
キーワード3 | 同化 |
キーワード4 | プロテスタント宣教師 |
キーワード5 |