学科	教育文化学科	ゼミ教員名	奥井　遼	年度	2022年度
タイトル	宝塚大劇場周辺の商点と宝塚歌劇 ―タカラジェンヌやファンを支える商店たち―

内容	本稿は、宝塚大劇場周辺にある商店に着目し、商店と宝塚歌劇の間にはどのような関係があるのかを明らかにし、それら商店が持つ意義を考察することを目的としている。宝塚大劇場周辺（阪急宝塚駅から宝塚南口駅まで付近）に立ち並ぶ商店には、タカラジェンヌの千社札、サインの入った公演ポスターやポストカードなどが飾られるという共通した特徴が見られ、宝塚歌劇と宝塚大劇場周辺の商店の間には強い結びつきがあることが予想される。本稿ではこのような特徴のある商店で参与観察及びインタビュー調査を行い、宝塚歌劇とどのような関わりを持つのかを分析した。その結果、両者にある関係性は業者と顧客を超えたものであることが明らかとなり、宝塚大劇場周辺にある商店はタカラジェンヌやファンなど宝塚歌劇に関係する人物を支える役割を担っていることが示された。

講評	宝塚歌劇研究においては、劇場のあり方やタカラジェンヌ本人に関心が注がれるのみならず、ファンクラブといった周辺的事象にもしばしば注目が集まる。本稿はさらなる周辺的事象へと射程を広げ、劇場近辺の店舗の存在に着目した。店舗が宝塚歌劇によって支えられることはもちろんであるが、逆に、むしろ店舗こそ「目利き」としてタカラジェンヌやファンを支えている可能性を見出す。理論的な裏付けや調査範囲の狭さなどといった課題はあるものの、街が劇場を支えるという宝塚歌劇の文化の特性の一端を明らかにすることに成功している。

キーワード1	宝塚歌劇
キーワード2	タカラジェンヌ
キーワード3	ファン
キーワード4	商店
キーワード5	宝塚大劇場