学科 | 教育文化学科 | ゼミ教員名 | 奥井 遼 | 年度 | 2022年度 |
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タイトル | 伝統産業における“ホワイト化”指標とは ―日本酒業界― |
内容 | 本稿は、「ホワイト企業がすべての企業の目標値であるべきか」という問題意識を出発点として、伝統産業における構造的問題を探究するものである。具体的には、日本酒業界に着目し、経営体制を刷新することに成功しつつある酒造における現地調査を行い、「人選び」「造り方」の二側面から、その業界の仕組みを分析した。調査の結果、「人選び」の観点に関しては、「新卒の通年採用」と「若手責任仕込み」という二点において、日本酒企業が「ホワイト化」する際に貢献しうることが示された。「造り方」に関しては、「一定以上の体力が求められ続けること」「個人の感覚に左右されること」という「ホワイト化」する上での二つの課題が示された。最後に日本酒業界における「ホワイト企業」指標を考える際には、制度という客観的な名札だけでは判断できない、その制度の根幹を支える「人」という主観的観点が重要であるという新たな視座を提示した。 |
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講評 | パイロットのフライトスキル習得というユニークなテーマを扱った論考である。自身もフライト免許を持つ立場として、一人称的な経験の記述も豊富にふまえながら学習や教授のプロセスを明らかにする。複雑なテクノロジーを使いこなすエンジニア的知識をベースとしつつ、「空気のクッション」を感じるかどうかといった感覚的な認識を得ることでフライトスキルは習得される。操縦できるからといって教えられるとは限らない。すべてを標準化することの困難な、個人の感覚を根拠とする身体知をめぐる知恵と工夫を言語化しえた労作である。 |
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キーワード1 | 伝統産業 |
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キーワード2 | 日本酒業界 |
キーワード3 | ホワイト企業 |
キーワード4 | 新卒採用 |
キーワード5 | 杜氏制度 |